腫瘍内科

当科の特色

1.  診療実績と体制

臨床腫瘍学講座(腫瘍内科)は平成22年7月に設立された、比較的新しい講座です。 当院の“がん診療“の自慢は、外科・内科・放射線科・病理・緩和チームなど、がんに関わるすべての科の垣根が低く、密な連携がとれていることです。さらに医師だけでなく、看護師・薬剤師・ソーシャルワーカーなどが一体となり、また地域の連携施設からの力強いサポートもあり、地域全体がチームとなり、がん患者さんの生活を支えることができております。地域に根ざしたがん診療の拠点として、個々の患者さんにとって最善・最適ながん診療を提供することが、我々の最大の使命であります。

一方でがん治療開発の中心的存在として、通院圏外のがん患者さんに対しても新規薬剤のチャンスを提供できるよう、多くの臨床試験、治験を行っております。

教育・研究においては、学生・若手医師に臨床腫瘍学の基礎を教育するのみでなく、自らの臨床経験や基礎研究の中からでたアイデアをproof of conceptまでもっていく、橋渡し研究や開発早期の医師主導治験の実施を推進したいと考えております。医師主導治験は稀少で難治性の、企業が開発対象としない患者さんに対する開発を実現化できる有効なアプローチでありますが、日本が世界に遅れている部分でもあります。ここマリアンナから、このリサーチラグを埋めていきたいと考えており、がん領域ではまだめずらしい医師主導治験も当科では実施しております。

図1
中島貴子 教授

さて、2025年には4人に1人が75歳以上という超高齢化社会に突入します。我々は限られた労働力を最大限化するしかありません。女性、男性という線引きではなく、それぞれの家庭が最大限の力を発揮できるよう、社会的努力、理解が必要です。そして何より大切なのは、働く世代が、キャリアを継続することや新しいライフモデルを自分達で作り出していくことの楽しさを感じることだと考えています。一人でも多くの若い医師にその楽しさを感じてもらうことを目標に、サポート的医局運営を目指します。それは、高齢化医療という答えのない課題に、自ら問いをたて、解決していく力を持つ医師の育成につながると信じています。

社会、時代から要求されている臨床腫瘍学の役割をしっかりと自覚し、地域のがん診療のさらなる発展、そして本学、日本、世界における臨床腫瘍学の発展に貢献していきたいと考えております。

2.  当科で経験する主な内容

①  正しいがん治療を学ぶ
当科では世界水準の「標準治療」を学びます。標準治療とは、世界中で行われてきた臨床研究の結果、効果と副作用の面から現時点で最良と考えられる治療です。しかし「最善の治療」とは、エビデンスはもちろん、経験に基づいた臨床判断や、患者さん自身の意向を考慮したものであるべきです。患者さんにとってベストな選択を一緒に考えましょう。

②  最先端のがん治療開発を学ぶ
将来の患者さんのがん治療をより良いものに改善することも大学病院の使命です。そのため、当科では様々な治験・臨床試験を行っています。臨床試験には、当科が行う医師主導治験をはじめ、国内や海外の施設と連携して行う大規模な試験もあります。がんの治療開発の仕組みを学びましょう。

③  支持療法・緩和ケアを学ぶ
がんそのものに対する治療と同時に、治療に伴う副作用への対応(支持療法)や、緩和ケアも大切です。緩和ケアとは疼痛などのがんによる様々な身体的苦痛のほか、不安や鬱、社会的な問題など、患者を取り巻く様々な問題に対応します。

④   多職種チーム連携を学ぶ
患者さんの生活をできるだけ維持しながら効果的な治療を継続するため、多くの他職種専門家と連携し、チームで知恵を絞ります。医師は、それぞれの専門家の役割をよく理解して、チーム医療の力を学びましょう。

 

3.  教育プログラム

腫瘍内科研修では、抗がん剤の基礎的な知識、適応について、副作用のマネージメントなどがん診療を行っていくうえで、基礎となる知識の習得を目指します。症例カンファレンス、病棟業務、外来業務に従事し、抗がん剤についての診療を身につけていくことを目指します。

4.  当科で経験できる症例数

疾患名 新患者数(2017年)
全癌種 439
食道がん 57
胃がん 73
大腸がん 130
膵がん 65
胆道がん 38
その他(神経内分泌腫瘍、肉腫、GISTなど) 76

 

5.  主な一週間のスケジュール

時間
8:30~ 病棟にて入院患者レビュー 副部長回診 病棟にて入院患者レビュー
午前 病棟 病棟 病棟 病棟 外来
午後 症例検討会
医局カンファレンス
リサーチカンファレンス
18:30~ 消化器外科
カンファレンス

6.  診療風景

 図2

7.  医局員の主な研修医療機関(初期臨床研修を含む)と資格

聖マリアンナ医科大学病院
川崎市立多摩病院、聖マリアンナ医科大学東横病院、
ブレスト&イメージングセンターなど

専門医及び認定医

がん薬物療法専門医(6)
日本臨床腫瘍学会指導医(3)
がん治療認定医(4)
日本内科学会 認定医(5)
日本内科学会 総合内科専門医(3)
日本消化器内視鏡学会 専門医(4)
日本肝臓学会専門医(1)
日本消化器病学会 専門医(3)

 

8. 関わりの深い診療科

1.  消化器一般外科、消化器肝臓内科

当科では、消化器一般外科で手術を行った患者さんの周術期化学療法を実施し、また、消化器肝臓内科で同定された進行がんに対する全身化学療法を実施します。また、腫瘍に伴う消化管閉塞や胆管閉塞などの介入が必要な病態に対しては、適宜連携して治療にあたります。

2.  放射線科

食道がんに対する放射線療法など、放射線治療が必要な患者さんは放射線科と連携して治療にあたります。また、IVR手技による局所治療や、CVポート留置などの手技が必要な場合にも連携します。

3.  病理部

基本的に、悪性腫瘍の診断は悪性細胞を証明することによってなされます(病理診断)。しかし、しばしば多発リンパ節転移などの転移巣のみが見つかり、原発臓器がはっきりしないケースもあります(原発不明がん)。このような場合には、採取された組織の形態的な特徴や免疫組織学的な特徴を詳しく調べることによって、原発臓器を追求することもあります。

WordPress.com Blog.

ページ先頭へ ↑

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。