大学院生 土井駿一先生の学位論文

【ご報告】心不全領域で臨床、研究に従事しております大学院生の土井駿一先生の学位論文が、この度ESC Heart FailureでPublishされました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32909396/
土井先生より学位論文掲載に当たりコメントを頂きました

循環器内科の土井です。
この度、学位論文として、ESC Heart Failureに経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)術後の患者様の中期予後の予測に栄養指標である、Mini Nutritional Assessment Short Form (MNA-SF)が有用であることを報告させて頂きました。(ページ下部に抄録和訳あり)

自分の力では到底投稿すらできませんでしたし、たくさんのお時間を割いてご指導頂いた足利先生初め、指導頂いた先生方に感謝申し上げます。
自分は2年間の初期研修を修了し、聖マリアンナ医科大学循環器内科へ入局ならびに大学院に入学しました。大学院に入学当時は、研究のことはほとんどわからない状態でした。

本研究は後ろ向き観察研究であり、過去の患者さんのデータをひとつずつデータベースにするところから始めました。研究で解析する項目が多くなればなるほど、多くの方々に協力して頂く必要があると気が付きました。データセットの管理や統計、FigureやTableの作成、英語での執筆など、投稿までの準備をすることはとても多く、何もかもが初めての経験であり、とても時間がかかりましたが、一つ一つ丁寧に指導して頂き、今回学位論文として栄誉あるジャーナルに掲載いただくことができました。

臨床診療を行いつつ、臨床研究を行うことは労力が要ります。学位論文作成を通じて、学んだことは、多くの方々に協力頂いて初めて研究が成りたつこと、何か問題にぶつかった場合は決して腐らず、諦めずに問題解決に努めることだと思います。
この経験が、これから大学院に入学したい方や研究を始めたい先生方の少しでも参考になれば幸いです。

2020年12月24日 土井駿一

抄録(和訳)
目的:栄養不良リスクを有する高齢者は死亡率が高いことが知られている。本研究は、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を受けた患者において、Mini Nutritional Assessment-Short Form(MNA-SF)が中期死亡率を予測できるか検討した。

方法と結果:聖マリアンナ医科大学病院で2016年1月から2019年6月までにTAVIを受けた288人の患者にMNA-SFを行った。
栄養不良のリスクを示すMNA-SFカットオフ値を用いて、患者をMNA-SFスコア≦11の患者(MNA-SF低下群)とMNA-SFスコア≧12の患者(MNA-SF維持群)の2群に分けた。この値を用いて、MNA-SF と全死因死亡率との関連を調査した。全体では、MNA-SF低下群が188例(65%)、MNA-SF維持群が100例(35%)で、TAVI後に41例が死亡した(平均追跡期間、458±315日)。Kaplan-Meier解析の結果、MNA-SF低下群の患者では全死因死亡率が有意に高かった(ハザード比2.67;95%信頼区間1.29-6.21;P = 0.01)。多変量Cox回帰分析では、胸部外科学会リスクスコア、Katz Index、および脳ナトリウム利尿ペプチド検査結果を調整した後、MNA-SFスコアが全死因死亡の独立した予測因子であることが示された(ハザード比1.14;95%信頼区間1.01~1.28;P = 0.04)。

結論:MNA-SFは、TAVIを受ける患者の栄養不良リスクをスクリーニングし、TAVIを受ける患者の中期予後、術後の患者の死亡リスクの予測に有効であると考えられる。

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