リウマチ・膠原病・アレルギー内科

当科の特色

当科の特色に関しては是非

独自のHP(https://www.marianna-rheumatology.com/

Facebook(聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科 | Facebook)

をご訪問ください。

1.診療実績と体制

聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科では、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、血管炎症候群を代表とする膠原病とその類縁疾患を含めた自己免疫疾患の診療を行っています。これらの疾患は、時に急性増悪をきたす慢性的な全身臓器障害が特徴です。さらに当科では不明熱や診断が困難な全身性炎症疾患や、免疫抑制療法に伴う種々の感染症にも対応しています。したがって、研修の場では、まれな疾患を日常的に扱うだけではなく、内科医としての診断、治療の道筋を学ぶのに適しており、プライマリケアも同時に研修できることが特徴であります。

年間約470名のリウマチ・膠原病の患者さんが入院し、平成25年度のある調査では当科入院患者数は全国でトップクラスでした。また平成27年度外来にはのべ28,000人以上の患者さんの受診があり、疾患は多岐に渡り、上記の膠原病以外にも、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人発症スティル病、強直性脊椎炎、自己炎症症候群などの膠原病類縁疾患などが含まれます。本領域での症例数は、全国的にみても有数です。また慢性疾患は外来での治療が重要になりますが、東京都内、神奈川県内、静岡県内の9病院と連携してリウマチ・膠原病疾患の専門外来ネットワークを構築しています。これら豊富な疾患を経験することで、日本内科学会認定内科医、総合内科専門医や日本リウマチ学会リウマチ専門医を取得するのみならず、患者さんと一緒に病気と向き合える医師の養成を目標としています。膠原病は比較的稀な疾患ですが、当科では数多くの症例を経験することができます。貴重な症例も多く、症例を生かした数多くの学会発表をしています。

2017年4月から川畑仁人教授が新たに着任され、2018年4月からリウマチ・膠原病生涯治療センターを新たに立ち上げました。小児期から成人への移行期、妊娠・出産・授乳期、高齢期までの、変わりゆくリウマチ・膠原病患者さんの経年変化に応じた最適な治療を提供すべく、小児科、整形外科などと連携し、それぞれの時期に応じた真の意味での全人的な医療を提供するよう務めてまいります。このことにより、今までの成人患者さんに対する画一的な治療のみならず、患者さんの経年変化に応じた最適な治療を学ぶことができるようになります。

更に、アレルギー疾患の診療および教育、研究の拡充も進めてまいります。アレルギー科の専門的診療を学べる大学講座は全国でも少数であり、薬物アレルギー、食物アレルギー、食物依存性運動誘発アレルギー、気管支喘息など、種々のアレルギー疾患の診断から治療までを学べる貴重な経験を当科の研修を通して得ることができます。

image

2. 将来リウマチ専門医を目指す内科専修医のための研修

日本リウマチ学会の専門研修カリキュラムに沿って研修が行われます。リウマチ専門医を取得する為には,日本リウマチ学会が認定した教育施設等において、通算5年以上のリウマチ学の臨床研修を行うことが必要です。この間に可能な限り多くの臓器別疾患を受け持つことが重要です。内科専修生2年間におけるローテーシンについては、入局確定次第、教授、診療部長、医局長などと打ち合わせて最適のプログラムを作ります。

  • 病棟業務

リウマチ・膠原病・アレルギー内科病棟では、病棟医長、助教および外来主治医の指導の下、入院患者を担当します。指導医は基本的に日本内科学会の認定医、総合内科専門医もしくは指導医と、日本リウマチ学会のリウマチ専門医もしくは指導医の資格を有しています。担当医として、受け持ち患者の診断および治療に主体的に関わる事になりますが、より多くの症例から学ぶために、受け持ち症例以外にもついてもカンファレンスなどで学習します。臓器障害の部位によっては、他の内科、皮膚科、整形外科や精神科など他科との連携が重要となり、これを通して学習します。また臓器障害の高度な入院患者の受け持ちを通して、全身管理の技術を取得します。

  • 外来業務

診療部長の外来助手として、外来診察技術を取得します。2年目からは実際に膠原病の外来診察を経験し、外来での診断および治療に主体的に関わることになります。外来ではとなりで上級医が外来診療を行っており、すぐにコンサルトおよび指導ができるように配慮されています。他院では経験できない多くの症例から外来経験を積むことができます。

  • カンファレンス

病棟カンファレンスや部長回診では入院患者の診断・治療方針決定のための討議を行います。さらに、臨床カンファレンスでは症例報告の技術を学ぶとともに、文献的な考察を行い、日常の診療にフィードバックさせます。まとめた報告は、論文にして発表することを奨励しています。また、上級医による様々なテーマのミニレクチャーも頻回に行っています。さらに、海外から講師を招き院内でセミナーなどを行っています。

図2png

(写真は外部講師を招いての関節エコー勉強会, 2017)

  • 特殊治療、検査の研修

当科は日本におけるリウマチ・膠原病治療の中心地の一つです。リウマチ・膠原病疾患を通じて、病態に応じたステロイド、免疫抑制薬や生物学的製剤の適正投与について学ぶことができます。また、感染症対策はこれらの免疫抑制療法で重要になりますが、予防、治療ともにその方法を体得できます。関節疾患に対しては、関節穿刺の適応や方法および画像診断方法の修得ができます。また、自己抗体を含め血清学的診断の方法や、合併症の多い肺疾患の画像診断についてもトレーニングを受けることができます。

  • 先進医療への参加

医師主導の臨床試験(現在治験審査委員会に承認されたものは5件)を含めて、新たな治療への取り組みを積極的に行っています。これらの臨床試験を通じて、新規治療への参加のみならず、その方法を学ぶことができ、難病の患者さんにフィードバックすることができます。

  • 厚生労働省の班研究への参加

尾崎承一前教授が主任研究者である厚生労働省の「難治性血管炎調査研究班」(平成14~19年度)、および「ANCA関連血管炎の臨床研究班」(平成20~22年度)において、MPO-ANCA関連血管炎の標準的治療プロトコールの前向き臨床試験をはじめとする先進的治療の確立をめざしてきました。当科はこの研究活動の中心的な役割を担っており、平成23年に厚生労働省よりANCA関連血管炎の診療ガイドラインが公表されました。現在、川畑教授が「自己免疫研究班」成人スティル病の分野長、永渕裕子講師が「ベーチェット病に関する調査研究班」の主要メンバーとして活躍しています。

  • 国内外の学会への参加

リウマチ・膠原病領域では、日本リウマチ学会、日本免疫学会、アメリカリウマチ学会、欧州リウマチ会議などの学会や研究会へ参加することができます。発表については指導医の下、適切な指導を受けることができます。

図3

(写真は2017年アメリカリウマチ学会)

  • 個々のライフプランに合わせたキャリアデザインと後期研修

当科では、妊娠、出産、育児や介護などのライフプランによってキャリアデザインが中断しないように、ライフプランを継続しながら、キャリアアップも同時に可能にするプランを利用することができます。実際現時点でも多くの医局員が妊娠、出産、子育てなど状況に応じて働いています。

*専門医の取得について

日本内科学会内科認定医の受験資格は卒後3年目に得られるので、可能な限り早い機会に取得することが望まれます。また日本リウマチ学会に規定されたリウマチ内科専門医の受験資格は、日本リウマチ学会に入会し、5年以上経過していること、学会が認定した教育施設において、通算5年以上のリウマチ学の臨床研修を行い、内科認定医を取得している者となっています。これらの受験のために、専門領域を含めた幅広い内科疾患の経験ができるように考慮されます。

*リウマチ・膠原病・アレルギー内科研修の場

リウマチ・膠原病・アレルギー内科研修を希望する内科専修生は、大学病院、西部病院、町田市民病院のいずれかでも研修可能です。いずれの施設も、リウマチ専門医を取得するための指定研修施設です。研修施設については、内科専修生の将来像を考慮して、教授、診療部長、医局長で決定されます。

3.主な一週間のスケジュール(大学病院)

AM 朝のカンファレンス 朝のカンファレンス 朝のカンファレンス 朝のカンファレンス 朝のカンファレンス
PM 新入院・入院患者の全体カンファレンス・回診 病棟診療 病棟診療 病棟診療 病棟診療

4. 専門医

リウマチ専門医、9名(本院常勤のみ)

5.関わりの深い診療科

膠原病は幅広い年齢で発症、また病変が多彩であるため、多くの診療科と連携しています。

(1) 小児科

当科では小児科と連携し、小児期から移行期のリウマチ・膠原病患者さんが、それぞれの時期に応じた適切な医療を提供するよう務めています。また、今まで需要があるにもかかわらず、我が国では不十分であった患者さんの小児から成人へのスムーズな移行を目指す移行期医療の確立を目指し小児科との連携を強化しています。

(2) 整形外科

整形外科とは主にリウマチ患者さんに関し連携をとって診療をしています。また定期的にカンファレンスも開催し、情報を共有しています。

(3) 皮膚科

皮膚科とも年に数回合同カンファレンスを行い、情報を共有、連携を強化しています。

(4) 腎臓内科

腎臓内科とも合同カンファレンスを行い、情報を共有しています。また、SLEやANCA関連血管炎、その他膠原病に伴う腎疾患では腎生検を施行していただき、連携をとっています。

(5)循環器内科

膠原病に伴う肺高血圧症の心エコー・右心カテーテル検査を施工していただき、診断、治療などで連携しています。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。