総合診療内科

当科の特色

1. 診療実績と体制

聖マリアンナ医科大学 総合診療内科では年間1,200人程度の入院患者の診療を担っています。2023年1月からは大学でも入院を診ることとなり、各科と連携を取りながら複数の疾患を抱える高齢者の治療からHCU管理まで幅広い疾患を担当しております。

また、各診療科からの診療依頼を受けて他科の病棟の患者さんの診療を行っています。外来診療では、紹介患者さんを中心に未診断症例や診断困難症例の診療や各科からの診療依頼を受けて診療を行っています。昨今、新型コロナウイルスの流行に伴い、各科と協力して発熱外来や後遺症外来を行っています。

新型コロナウイルス感染後 後遺症に対する専門外来についてはこちら↓

https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/outpatient/specialty/covid19

川崎市立多摩病院では、大学よりもcommonな疾患の割合が多くなりますが、大学と同様に診断困難症例の診療もあり、幅広い疾患を診ています。

2. 専門医プログラム

I.  総合診療医専門研修プログラム(新・家庭医療専門医研修プログラム)

川崎市立多摩病院では2018年度から開始となった総合診療専門医の研修プログラムがあります。総合診療専門医の前身となる日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門を輩出しており、近隣で開業されている方もおり、相互に診療協力をしています。

内科以外に、救急、小児科、僻地や離島、診療所での研修を行い、total 3年間の研修を終えた後に総合診療専門医を取得できます。

【ローテーションの一例】

1年目:内科研修
2年目:ER研修、小児科研修、離島・僻地研修
3年目:総合診療研修、選択研修、診療所研修

図8

さらに上を目指す方は、4年目に家庭医療の研修を行うことで新・家庭医療専門医を取得できます。詳しくはこちら(川崎市立多摩病院のホームページとびます)。

II.   新内科専門医プログラム

川崎市立多摩病院における新プログラムを2019年度から開始し、募集中です。内科の研修を中心に、救急や地域医療を経験し、3年間の研修後に内科専門医を取得することができます。詳しくはこちら(川崎市立多摩病院のホームページとびます)。

3. 教育プログラム

【初期研修医レクチャー】

週1回、多摩病院全体のスタッフで、初期研修医へレクチャーを行なっています。日常診療に役立つ知識を分かりやすく解説しています。後期研修医でも勉強になる内容であるため時間の許す限り後期研修医の皆さんにも参加してもらっています。

【後期研修医レクチャー】

後期研修医向けにレクチャーをしています。総合診療医として必要な専門領域の知識を身につけることができます。

【MDM勉強会】

MDMとはMedical Decision Making、すなわち科学的で論理的な意思決定ができる手法や考え方について学ぶ勉強会です。月に2回、海外論文の抄読会を行い、その論文の批判的吟味・質の評価と評価するための疫学知識・統計学知識を養いつつ、その論文を読んで日常診療にどのように役立てることができるのか学ぶための会です。

【MKSAP】

MKSAP(マクサップ)とは、Medical knowledge Self-Assessment Programの略称で、米国内科学会(American College of Physicians:ACP)が発行する内科系領域の自主学習のための教材です。毎週1回、朝の時間を使って30分程度、皆で問題を解きながら学んでいます。

【(診断推論)症例カンファ】

水曜日と金曜日の昼の時間を利用して、これまで経験した症例の病歴から鑑別疾患を挙げ、必要な身体診察、各種検査を挙げることで、実臨床での診断推論能力を鍛える学習をしております。

4. 研究

大学院(総合診療アカデミックコース)に進む方法と、大学院に進学せずに研究を行う方法があります。

大学院(総合診療アカデミックコース)

診療助手として臨床を行いつつ、研究に専念できる時間を設けています。具体的にどのような研究を行うか研究デザインをしっかりと決め、研究を行います。限られた時間で行うので基本的には観察研究となりますが、学位を取るための付け焼き刃の研究ではなく、大学院を修了しても継続・発展可能なデザインとしています。1-3学年目は週に半コマほどのfreeな時間を作り、3-4年目の間で論文を集中して書く時間を取っています。ベッドフリーはなるべく設けず、臨床を行いながら研究を継続的に行えるような環境を整えています。

1-2年目:疫学や統計学についてのレクチャーを受けつつ勉強しながら研究デザインの決定と症例数の確保をしていきます。

3年目:疫学や統計学の知識を用いて解析を行います。学会発表や論文投稿を行います。

4年目:学位発表を行います。

大学院に進学せずに研究を行うこともできます。日常診療をこなしつつ、空き時間を見つけて研究デザインの決定、症例数の確保、解析、論文化を行なっていきます。指導医が適宜サポートしますが、学位の取得も視野にいれている場合は、研究に専念できる時間を確保可能な大学院進学の道を選ぶことをお勧めします。詳しくはこちら(川崎市立多摩病院のホームページとびます)。

【研究テーマ一覧】

◼ポリファーマシー、薬剤有害事象、処方最適化などに関する疫学研究

◼施設入所高齢者の歩行パターンや睡眠深度など、身体機能データに関連する因子の共同研究︎

◼感染性心内膜炎の診断予測モデルの共同研究

◼DNAR、ACPに関する臨床研究

◼肺炎の予後規定因子についての臨床研究

◼COVID-19感染後 後遺症に関わる臨床研究

◼自治体の健診データを活用した疫学研究

など

5. 年間の入院症例数(2020年度 [2020年4月-2021年3月] )

総合診療内科では下記のように多岐にわたる疾患を経験することができます。

MDC2総合診療内科症例数のコピー

6. 主な一週間のスケジュール

1日のスケジュールのコピー

 

7. 風景

<朝カンファ>

coming soon….

<回診>

<集合写真>

8. 医局員の主な研修医療機関(初期臨床研修を含む)と資格

研修協力病院

多摩ファミリークリニック

久地診療所

あいクリニック中沢

あさお診療所

聖マリアンナ医科大学病院

川崎市立井田病院

相模原赤十字病院

湘南鎌倉病院

湘南藤沢病院

東京ベイ・浦安市川医療センター

大船中央病院

名瀬徳洲会病院(奄美二次医療圏 僻地指定)

名瀬徳洲会病院(奄美二次医療圏 僻地指定)

笠間市立病院 (水戸二次医療圏 被災地指定)

高知県佐川町立高北国民健康保険病院(中央二次医療圏 僻地指定)

 

9. 専門医、指導医

10. 関わりの深い診療科

外科、内科を問わず全ての診療科と関わり、お互いに協力し合いながら診療を行なっています。

11. リンク

聖マリアンナ医科大学病院 総合診療内科ホームページ

川崎市立多摩病院 臨床研修医サイト

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12. その他

COVID-19の影響で、人が集まるようなカンファレンスに関してweb会議などで対応し、感染対策を実施しつつ、診療の質を落とさないように取り組んでいます。

最終更新 2023年12月26日